アイヌクォーターの親父。コレ(↓)、アタシが子供の頃には、もう喧伝していましたよねぇ。
『アイヌを先住民族に指定すれば、北方領土返還に有利~!』
30年近く前になるのかなぁ。
その時も、テレビでそのプロパガンダを垂れ流していました。
お茶の間で寛いでいる時、父が言ったんです。
「有利になんてならない。
ロシアにもアイヌがいるから」
で、大雑把な流れを話してくれたんですよ。
日本が条約を結んで(榎本武揚の千島・樺太交換条約)、
ロシアに渡ったアイヌと、日本を選んだアイヌがいた事を。
アタシはそういう話が好きなので、身を乗り出しました。
ランドセル背負った年齢で、孫子や老子にハマッた娘です(笑)
嬉々として目を輝かせながら、言いました。
「うわぁ、お父さん凄い! 詳しいんだね!」
そうしたら、父はサッと表情が変わって、黙り込んでしまったんです。
「アレ?」と思いました。
いつもなら、得意になって続きを話してくれるんです。
特にアタシは、父の一番のお気に入りでしたし。
今になって、その理由が判りました。
アイヌ民族(≒プロアイヌ)達の活動は、目に余るものが有ります。
可愛い娘を関わらせたくないと思うのは、親心でしょう。
ですので、砂澤陣さんの活動を知った時、迷うことなく賛同できました。
北方領土と榎本武揚については、以下の過去記事をご参照下さい。
武揚は、アイヌを護るため、たった一人奔走してくれたんです。 明治8年、千島・樺太交換条約[榎本武揚](2016/02/26) http://fuwameg.blog.fc2.com/blog-entry-1624.html 「先住民族だと北方領土返還に有利」by多原香里(2016/02/28) http://fuwameg.blog.fc2.com/blog-entry-1625.html***
ついでに申し上げますと、実在のアイヌは部族社会です。
併合当時は、よく判らなくて一つに括ってしまったんですよ。
部族ごとに違うと言っても、和人から見れば全員同じに見えますし。
ただ何れにしろ、現在、伝統文化として喧伝されるそのほとんどが、
昭和初期の旅行ブームで観光客向けに整備された「商品」に過ぎません。
「実在の部族社会をモデルに創作されたフィクション(虚構)」です。
東西エンチュウ・ソーヤ・ペニウンクル
シュムクル・サルンクル・メナシクル・トゥカチ。
詳しくは、砂澤陣さんのブログ記事で。
⇒
http://koushinminzoku.blog117.fc2.com/blog-entry-359.html 後進民族アイヌ http://koushinminzoku.blog117.fc2.com/
さて、話を父に戻します。
申し訳ないのですが、ここからはアイヌ問題と無関係です。
「アイヌ系」と云ったって、現代では一般の日本人に過ぎません。
単なる家族の話です。もともと拙宅は、心理学系のブログでしたし。
父はですね、幼少期、母親から引き離され、
アイヌの祖母(私から見て曾祖母)に、あちらこちら連れ回されていました。
色々と考えたんですが、曾祖母は淋しかったのだと思います。
父の家系って、男は長生きしない傾向があるんですよ。
夫である曽祖父も、早くに亡くなったらしく。
息子(アイヌハーフ)である祖父も、嫁(陸奥源氏)を迎え、
一人、自分だけが取り残された気分になってしまった。
それで次男坊の父(曾祖母から見て孫)に固執したんでしょう。
何処にでもある話ですよね。「お姑さんに息子を奪られそう」って。
姑からしたら、「嫁に息子を奪られた!」って思っているんですよ。
その報復行為なんです。「私の息子を奪うなら、お前の息子を寄越せ!」
…………幼稚ですよね。
ただ、その心理(ウラ)に気付かないと、嫁の方も、
自分が姑になった時、同じ事をするようになります。
人間は、された事をする(学習・模倣・まねぶ)動物ですから。
現に、陸奥源氏の祖母も、母にネチネチ言ってきましたし。
(かつての不満の捌け口。私が堪えたんだ、お前も堪えろ!的な)こうやってイジメや虐待は連鎖します。
やはり、論理的な思考の発達は重要です。
自己客観視に不可欠なので。
そんな状態で育ったので、当然、父の人間性は安定しません。
最初の結婚にも失敗しました。向うの女性にも問題があったようですが。
子供二人は、父の妹夫婦の元に預けられました。
当然、この二人の子供も安定しない状態で育ちます。
実際、兄の状態は酷かったですよ(私の異母兄)。
今だから判りますが、完全に愛着障害を引き起こしていました。
宇梶剛士さんほど大物ではないですが、札付きのワルとして有名でした。
21歳で列車に飛び込んで自殺しましたけれど(私が12歳の時)。
で、まぁ、最初の結婚に失敗した後、
上京した父は、そこで福島から上京してきた母と出会い、
横浜に居を構えました。
…………東京は民族運動・第二の本拠地デス(-。-;で、二人の子供を呼び寄せて、やがて私が生まれるんです。
父は私を溺愛したそうです。上の二人も私を可愛がってくれました。
上の二人は、結局、父には懐きませんでしたが。
継母である、私の生母には誰よりも信頼を寄せました。
そんなんだから、よく聞く「継母によるイジメ」は、私には理解できません。
母は言っていました。「関係ない。自分で面倒を見ていれば可愛くなる」と。
それでも母に指導され、父も一つ一つ、行動を改めていったんです。
私がうんと小さい頃(物心つく前)は、まだ問題を起こしていたそうですが。
次第に落ち着き、ちゃんと「お父さん」をやっていました。
定時に帰ってくる、子供(私)の相手をする、力仕事なら手伝う……。
順風満帆に見えるでしょう?
でも、問題が起きました。
父が、帰ってこなくなったんです。
勿論、他所の女性を渡り歩いているんですよ?
一般には、「なんて酷い!」って思われますでしょ?
でも、コレには、ちゃ~んと、カラクリがあるんです。
父の問題行動の原因は、母にありました。
母も幼少期、淋しい思いをして育ったんです。
母は10人兄弟姉妹の末っ子なんですが。
母のすぐ上の姉(私から見て伯母)は病弱でした。
家族の意識は、その病弱な姉に向かいます。
母からすれば、末っ子の自分は注目してもらえないんです。
特に、母の実家の両親(私の祖父母)は、
母親がクールな漢前で、父親が超・超・超絶子煩悩。
祖父は、“男にしては有り得ないくらい” 気の優しい人だったとかで、
病弱な娘を助けて欲しいと、神社で毎日毎日、必死に祈願し、
当の娘が嫁いで幸せになってからも、お礼参りは欠かさなかったそうです。
杖を突きながら、ず~っと長い階段を昇って、手を合わせに行くんです。
なんと言いますか……、純心な日本人の典型みたいな人?
老いてからは、単なる習慣行動だったのかも知れませんが、
特に幼い頃、母としては、病弱な姉を羨ましく思っていたのでしょう。
「姉は病気なんだから」って、
いくら自分を納得させようとしても、
やっぱり幼子にとっては淋しいですよね。
父親に、もっと自分を見て欲しい。
その時の淋しい思いが、私と父に向かってくるんですよ。
(最近の表現ではインナーチャイルド)
早い話が、八つ当たりです。
私がまだ幼い時は問題がなかったのですが、
当時の姉(伯母)の年齢に近付くに連れ、抑えられなくなる。
「いつまでお父さんに甘えているのよ!」
「お父さんも、メグのことばっかり!」
父と私は、「???」です。
ただ判るのは、父娘で仲良くしていると、
母の機嫌が悪くなるということだけ。
で、父は土台がヘタレ(!)ですから。
「言われたことは全部直して、あんなに頑張っていたのに」
自信喪失して、元の非行中年(?)に戻ってしまったんです。
母は凄まじかったですよ。
私にブラジャー禁止とかしていましたから。
あちこちの過去記事で、その辺は触れていますけれど。
ご近所のお母さん方が、薄いTシャツ一枚の私を見て蒼ざめていました。
「あんなに成長の早い子なのに。お母さんは何をしているの?」
今なら、あの時の表情の意味が判ります。
当時は、私の身体が異常なのかと思っていました。
無理もない。優しかった母が、豹変したんですから。
アイヌの曾祖母の段で、「自己客観視」について触れましたが。
単純に、論理的な思考の発達だけでも足りないんですよね。
自分と向き合う強さです。
自分の弱さと、向き合う強さ。
外界に対して強張っている人間って、内面は弱いです。
だから、「怖い人」に見えるんです。
「硬い」とか「強い」を、「こわい」って表現しますでしょ?
人間はもともと、弱い動物だから。
だから、奮い起こす必要が有るんです。
弱いのに振り絞るから、人は「勇気」を讃えるんです。
私の母の例で言えば。
暴走なんてしていないで、素直に言えば良かったんです。
「私の子供時代はこうで……」って、夫である父に。
説明してくれれば、父だって対応が変わってきますでしょ?
「コイツも子供の時、淋しい思いをしていたのか」って。
今時の表現をすれば、
ツンの凄まじさからくるデレの破壊力みたいな?
親父はきっと、母ちゃんにメロメロになったと思ふ(^p^)
男の人って、素直に頼られると、嬉しくなっちゃいますよね。
しかも自分で選んだ女性。二重の意味で、自信に繋がります。
自分で更正させた男を、
自分の意地張りで潰していたら、世話ないですよ。
付き合わされたこっちは、大迷惑なんですが。
父は、ちゃんと応えてくれる男性だったんですよ?
現に、一つ一つ改めて、ちゃんと更正したんですから。
「それを言うと、負ける気がして嫌」 とか、よく聞きますけど。
負けるって何?
誰と戦争しているの?
2017/03/17 不破 慈(ふわめぐみ)
※アップ翌日、加筆修正

アレ? 母ちゃんの話になっちった……( ̄∀ ̄;
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お父様ハンサムなんですね。とても羨ましいです。
お怒りになられたら申し訳ないけどスクールデイズの伊藤誠を思い出しました。
ネットサーフィンすると伊藤誠の名前が出るので気になって調べたら元はPCゲームを原作にした男性向けアニメの主人公でした。管理人さんはご存知ですか?
アニメ、ゲームの概要を調べたら伊藤誠は決して悪い人物ではないけど何と言うか今の恋人と上手くいかないと他に自分に気がある女の子に行ってしまいます。
管理人さんのお父様はきっと女性がほっておけない方だと想像します。
一方伊藤誠がなぜもてるのかわからないけど彼もとにかく女性が言い寄って来るタイプです。
決して力で女性を支配する主人公ではありません。
相手の女性が天然のプレイボーイ(死語)の本質に気づいてコントロールできればいいけどなぜ彼に逃げられるのかわからないと不幸になりますね。
スクールデイズはバッドエンドが有名になりましたが一方で伊藤誠がかっこいいルートもゲームにちゃんとあることは明言します。
管理人さんはご苦労されたと思いますが、ご両親から愛情を受け入れられた事がわかります。
辛い事があっても愛された記憶があれば生きていける。どんな財産や宝物よりも代え難いものですね
管理人さんの冷静に物事を見る分析力はとても素晴らしいです。私も見習って仕事や日々の生活を頑張ります。
アイヌ問題は私も興味あるのでじっくりこれからも読ませて貰います。ありがとうございます。