【1】 豊胸より育乳! でも、その前に……?「いつも、どんなサイズをお召しですか?」
店員さんのハキハキとした雰囲気に圧されるように、私は答えました。
「び、B80か、C80です……」
先のお店で、「ブラによってはC80」と言われていたので。
言い終わる前に、声が消えてしまいましたが。
店員さんは、小首を傾げ。
それから、ちょっぴり微笑んで、
「いらっしゃい」と、私を手招きしました。
広く、ゆったりとした試着室。
そこに通されるなり、「先ず、コレを着けてみて」と、
B80のブラを渡されました。
言われるがままに、着けてみます。
店員さんがカーテンを開けると同時に、「あ~、完全に潰れてる!」
次に、C80。
「まだまだ潰れてるわね。じゃ、次、コレ!」
手渡されたのは……、D75?!
「アンダー75なんて、私……???」
そうビクビクしながら、着けてみました。
あれ? 呼吸が楽……?
「私、D75だったの???」
「どうですか~?」と、再びカーテンを開けて、店員さん。
「あ、ハイ、さっきより、凄く楽です……」と答えると、
「カップの上辺が当たっちゃってる。よく見ると、段になってるでしょ?」
え? あ……。
「ハイ、じゃ、コレね♪」と、次に手渡されたのは……、E75?!
でも、着けてみると……、確かに、確かに、さっきより、もっと楽。
店員さんがカーテンを開けると、「うん、やっぱコレだな♪」
その手に、次のブラは、握られていませんでした。
代わりに、半透明の白い手袋。
「ちょっと、お直しして良いかしら?」
「ハ、ハイ、お願いします……」
「ただ着けるんじゃなくて。
こうやって、こうやって。
胸は、柔らかいものだからね。
こうして、丁寧に、カップの中に仕舞ってあげるのよ~」
「……ヨシ! 綺麗、綺麗♪」
鏡に映った私は、まるで別人のようでした。
背筋がすっと伸び、肩に重さは感じません。
何より、こんなに空気をきちんと吸えた事、今まで有ったかしら?
「説明してあげるから。
取り敢えず、着替えてらっしゃい。ゆっくりで良いわよ~」
暫し、呆然。
ハッと気付くと、隣の試着室からも、
「え~、私、Dだったの~???」と、他のお客様の声。
どうやら、私だけではない様子です……。
2015/12/03 不破 慈
まだ続くよ♪ (* ̄∀ ̄*)
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