【原発・3】 北朝鮮は、
チェルノブイリと同じ黒鉛炉を保有(引用) チェルノブイリの原子炉は、減速材に水を使用する福島第一原発の軽水炉とは違って黒鉛が使用された黒鉛炉だったため、事故によって
黒鉛が高温になり大きな火災が発生した。それにより、
格納容器のなかった原子炉から10日間にわたって放射性物質が大量に放出され、上空に舞い上がり、数百キロ遠方でさえ、高レベルに核汚染した。
黒鉛とはつまり炭素なので、燃えやすい。それでも黒鉛炉を使用したのは、
兵器用のプルトニウムの生産に適したことが最大の理由とみられている。
北朝鮮も同じ目的からこの黒鉛炉を保持している。(高田純著、「福島 嘘と真実」、p39より)***
放射線防護学・高田純医師の著書を拝読していて、
気になる一文を見付けたので、ご紹介しました。
1986年4月26日に起きた、
チェルノブイリ原発4号炉の事故。
広島原爆500個分の放射能が火災によって拡散され、広域が汚染しました。
熱せられた空気によって放射性物質が舞い上がり、風によって運ばれたんです。
日本にも届いていました。まぁ、誰一人ハゲませんでしたけれど(←)
そして、引用文中にあった
減速材。
コレは
中性子のスピードを落とし、核との反応を効率良く、確実にさせるためのもの。
黒鉛を使用する場合は、大量に必要になるんですよ。で、炭素だから燃えますし。
故にチェルノブイリでは大火災に発展した。水なら、冷却材も兼ねてくれますけれど。
そして、ここが重要なので、しっかり覚えて帰って下さい。
文字も大きくしておきます。
現在の日本で使用される軽水炉は、
商用発電目的で開発された原子炉であり、
兵器用のプルトニウム生産には適していません。対して、黒鉛炉。
核兵器製造用の技術を、
商用発電に転じたものです。
だから長年、
北朝鮮の原子炉が問題視されてきたのです。
「発電施設くらい、良いんじゃない?」と、
呑気に構えていたコメンテーターや有識者が目立ちましたが。
その「専門家」の殆どは、確信犯だったようです。
現在、国内で反原発の旗手として活躍されている方ばかり。
相変わらず、北朝鮮の核開発にはダンマリですけれど。
***
で、軽水炉と黒鉛炉。
万が一の事故が起きた際も、災害の規模は全く異なるんです。
先述の通り、減速材が水か黒鉛かで火災の有無が分かれるだけでなく。
冒頭の引用文中で、
黒鉛炉は格納容器がないと触れられていました。
この格納容器。
厚さ1~2メートルもある鉄筋コンクリート製。
コレが事故の時、相当な量の放射能を閉じ込めてくれたんですよ。
だから、福島では周辺への影響を、低線量で抑える事ができた。
その格納容器がどれくらい頑丈かと言いますと。
2016年の高田本(!)に、説明が載っていました。
(引用) 原子力発電所へのミサイル攻撃はどうなるか。原子力発電所が、実際に兵器によるテロ攻撃を受けた例がある。建設中のフランスの高速増殖炉スーパーフェニックスが、対戦車砲RPG-7ロケット(ソ連製)で功撃されたのだ。川を隔てて約40メートルの地点から5発のロケットが撃たれ、4発が建屋に命中した。このうち1発は工事のため設けられた開口部を通って、厚さ1メートルのコンクリート製原子炉格納容器に当たった。深さ30センチメートルの穴が開いた。
(高田純著、「増補版・世界の放射線被爆地調査」、p206より)
「軽水炉、パネェ……」と、
素で呟いてしまいますが。
対して、北朝鮮。
黒鉛炉は、
格納容器が無いんですよね?2017/10/09 不破 慈(ふわめぐみ)
※アップ翌日、2箇所修正

憲法9条と同じですよ。
日本が原発を放棄しても、他国は放棄してくれません。
高田純医師のサイト ⇒
放射線防護情報センター ( http://rpic.jp/ )
去年の日付ですが、久々に、テレビじゃ流さないニュース様から。
中国の原発がヤバい!
素人同然の技術者が、異常なスピードで建設中!
「いつ爆発が起きてもおかしくない」(2016/03/05) http://brief-comment.com/blog/china/51728/
次回以降、やっと本編です。福島の話。
落ち着いて整理したいので、暫く投稿の間隔を空けます。
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また、首相は「結構、早い段階で解散を考え始めていた。今年の半ばころからだ」とも語った。【遠藤修平】
10/8(日) 23:24配信(Yahoo!ニュース)