0歳児保育の普及で、
発達障害児が激増する。「子どもを社会で育てる」「女性が産める社会を」
こういったスローガンを掲げて当選する女性政治家が増えました。
社民党の
福島瑞穂党首を筆頭に、左派リベラル系に目立つ主張です。
ですが皆さん、それが
0歳児保育を意味しているとご存知でしょうか?
つまり、産んですぐに保育所に預け、母親は朝から晩まで働くというものです。
そしてそれにより、預けられた子供は、早期に自立心が養われ、
より社会性が育まれるのだとか。
自民党の
杉田水脈先生が、怒っていらっしゃいました。
「0歳児に社会性なんてありません!!」
杉田水脈先生の仰る通りです。私も凍り付きました。
勿論、0歳児保育の全てを否定するつもりはありません。
各家庭に様々な事情があるでしょう。出産後に母親が亡くなったとか。
そういった場合の0歳児保育は
セーフティネットとして必要ですし、
それは自治体の窓口できちんと案内されることが望ましい。
ですが、0歳児保育の一般普及は危険です。子供の脳が破壊されます。
神経発達障害の界隈(?)では有名な、
イスラエルでの事例をご紹介します。
長くなりますが、精神科医(医学博士)の、岡田尊司先生の著書からです。
(引用) ※漢数字をアラビア数字に、改行も加えました。 効率化した子育てが思わぬ弊害を招くことを示した一例として、イスラエルの
集団農場キブツでの養育が知られている。イスラエルの建国初期から作られた集団農場キブツでは、子育ての負担を最小限にするために、子どもは「
子どもの家」と呼ばれる保育施設に集められて世話を受けた。
母親が生まれたわが子と過ごせるのは生後から6~12週までの間だけで、母親は速やかに仕事に復帰し、授乳時間以外は働いたのである。生後一年までには母親は完全にフルタイムで働くようになる。午後4時から午後7時までの夕べの団らん時間だけは、子どもは親もとで過ごすが、それ以外は夜間も子どもの家で過ごす。保母は交代で勤務し、昼間と夜間は別々の保母が担当するのが普通であった。
女性も労働力として働くことが求められたという事情もあったが、同時に、早くから母親から離れて暮らすことで、
子どもがたくましく自立するという期待もあった。だが、この「実験」は、贔屓目に見ても失敗だった。
キブツで育った子どもたちは、母親に対してだけでなく、父親や保母に対しても不安定な愛着を示すことが多く、通常の2倍から3倍近い子どもが「抵抗/両価型」と呼ばれる不安定な愛着パターンを示した。 これは、
見捨てられ不安が強く、素直でない反応を特徴とするものである。安定型と分類された子でさえ、抵抗/両価型の傾向がみられた。しかも、この傾向は大人になってからも認められたのである。
(引用ここまで、岡田尊司著/発達障害と呼ばないで(p99)/幻冬舎新書(2012.07))「愛着」という言葉が出て来ました。
早い話、子と(育ての)親との間に生まれる「絆」のことですが。
実はコレ、単なる精神論や観念論ではなく、
生物学的な現象なのです。
皆さん、
刷り込み現象(プリンティング)って知ってますでしょ?
そう、鳥の雛が孵った時、最初に見たものを親だと思ってしまう。
以降、全幅の信頼を寄せ、ずっと後を付いて行きます。
哺乳類も、それに近い現象が起きているんです。
この
愛着がそう。
人間の場合は、
生後1歳半ぐらいまでを臨界期として形成されます。
この時期までに、養育者が入れ代わり・立ち代わりすると、親子の絆が不安定になる。
人間不信を抱えたまま育ってしまうんですよ。反社会的な性向や、非行への走り易さ。
心理的な問題だけじゃなく、時に、免疫機能や知的発達レベルまでをも左右する。
ただ誤解して頂きたくないのは、
発達障害の全てが、愛着に起因する問題ではないということ。
やはり遺伝レベルのリスクから発症している子もいるんです。
と言いますか、両方を併せもったケースが一番、対応に苦慮します。
***
近年、急増を通り越し、激増中の発達障害。
正確には「
神経発達障害」といい、基礎研究レベルの科学者なら、
より厳密に、「神経発生発達障害」と表現することもあるでしょう。
おかしいと思いませんでした?
純粋に遺伝要因なら、発症率は急変しません。
人の遺伝情報は、一世代・二世代では書き換わらないからです。
専門家でも、区別が難しいんですよ。この乳幼児期の愛着が、
「第二の遺伝子」のように作用するから。
日本の古いことわざに、「
三つ子の魂、百までも」とあります。
昔は数えの年齢ですから、この「三つ子」とは、今でいう1~2歳のこと。
年末に生まれた子の場合、年が明けた瞬間にはもう2歳になっています。
先人の教えの正しさが、科学的に証明されつつあるのです。
2018/01/09 不破 慈(ふわめぐみ)
※アップ翌々日、二箇所修正

保守を自称する人(あくまで自称)の中には、
過激な論を展開する方も多いので、予め釘を刺しておきます。
この情報を、仕事を続けるお母さんへの功撃に使わないで下さい。
子供を産んでも仕事を続けたいと思っている女性の大半が、
充分な産休・育休が欲しいと希望しています。子供との時間も確保したい、と。
そしてそれは、お父さんだって同じこと。
子供の寝顔しか見られない生活では、愛着など形成されません。
子供の脳に、父親が存在しなくなってしまいます。絶対に避けたい。
不破は、女性の働き方ばかりが論じられることに、疑問を覚えます。
「子育ては女の占有事業」と言わんばかりに、男性を締め出して。
安定した脳神経の発達には、お父さんの存在だって重要です。
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