しっかりとした学術研究に基づいた
真面目な議論が活性化されて欲しい前記事でご紹介した、篠田先生とビートたけしさんの対談。
一般の方にも解りやすい説明が載っていたので掲載しますね。
たけし : 日本では、アイヌの人たちと沖縄の人たちの顔がよく似ている。
大陸から来た渡来人が日本の近畿地方辺りにやってきたため、
もともとの日本人が彼らに押し出されて、北と南に分かれてしまった。
それがアイヌと沖縄人だということをよく言う人がいますが、
あれは本当なんですか。
篠 田 : それは定説として言われていますね。ただ、私も気になって、
北海道については、かなり古い年代から現代までDNAを調べています。
北海道の場合は五世紀から十世紀ぐらいの間で、
樺太、千島から
オホーツク文化というのが入ってきている。
その人たちが持っていたDNAがアイヌの人たちに伝わっているんです。
北海道にいた在来の縄文人に、北から来た人たちが混血して、
アイヌの人たちになったようです。
たけし : では、沖縄の人たちは、どうなんですか。
篠 田 : 沖縄では十一世紀にグスク(古琉球時代の遺跡)を造る時代が始まりますが、
その頃までに少しずつ
九州のほうから農耕民が入っていったのではないかと
思われています。たた沖縄は日本で一番古い人骨が出ている地域で、
二万年とか三万年前に人が住んでいた証拠があるんです。その人たちと
今の沖縄の人がどういう関係なのかは、なかなか掴みきれていません。
まさに今その研究をやっているところです。
※たけしの面白科学者図鑑 人間が一番の神秘だ!(p103-104)/新潮文庫(2017.04)
初出 : 「新潮45」 2015年2月号 「たけしのグレートジャーニー」***
私はもともと、こういったサイエンス系の学問が好きです。
だからブログでしつこく、しつこく取り上げているのですが(笑)
文献史料では紐解けない、日本人の成立史。
人間は嘘を吐きますし、事実誤認もしますが、骨は嘘を吐かない。
それを解釈する側が、勘違いや捏造に手を染めることはあってもね。
アイヌ研究で高名な河野本道先生は、
利権アイヌの姿勢を評して、こう仰いました。
「歴史を外注するようなもの」最近では、沖縄を中国の一部であるかのように
錯覚させる情報も多いですね。いったい何を言っているのか。
国語学者・国文学者の折口信夫先生に、こんなエピソードがあります。
現地の人に、「先生、沖縄の言葉が解るのですか?」と問われ、
「解るよ。これは、
やまとことばだからね」と返答なさったとか。
沖縄も北海道も、日本にとって大切な土地です。
「日本人とは何か」と問う時、列島の南と北は外せないのです。
一部の人間の権益や名誉欲で、私されたくない。
イデオロギーの右・左でもなく、学問としての研究がなされて欲しいです。
2018/05/16 不破 慈(ふわめぐみ)

以前も申し上げましたが、保守界のDNA論争も酷いものです。
現代の技術水準では、
古人骨のY染色体を解析することは困難なのに。
発言をするなとは言いませんが、せめて基本を抑えて頂けないでしょうか。
昨今、保守界の流行は、「チベットと日本が近縁」というストーリーですか?「日本人に多いD2が、チベットに多いD1と近しくて~」云々。O2bとO3の存在は無視ですか。随分と都合の良い脳をお持ちです。そもそもこのY染色体ハプログループを用いて集団の移動を語る上で…
Y染色体ハプログループにまつわるファンタジー(2017/12/26)
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