本物のマキリです。
ツイン・タイム・トラベル イザベラ・バードと旅の世界(p56)/金坂清則/平凡社 2014.09イザベラ・バードが本国に持ち帰った小刀です。国立スコットランド博物館所蔵。
図書館でコピーしたものを更にスキャンしたのですが、画像は大丈夫でしょうか?
皆さんがご存知のデザインとは、かなり違うでしょう?
これが本来の(正確には江戸期ぐらいまでの)アイヌの彫りです。
方々の土産物に慣れている人は、
見栄えがしないと思われるかも知れませんが、
少数民の文化って、大抵がこういうものですよ。
だって、生活に根差した物ですもん。
専門の職人が作っているワケではない。
個人が(素人が)、日常の中で刻んでいたもの。
それが「生活文化」であり、「売り物ではない」からこそ、学術的価値が高い。
***
さて、父祖本来の文化を愛おしむのはこれくらいにして。
ブログトップに書いてある通り、私は横浜で生まれ育ちました。
更には、母方の伯父が一人、隣の鎌倉に居を構えていたんです。
ですから、「アイヌの伝統工芸」を初めて目にした時、
思わず、叫んでしまいそうになりました。
「鎌倉彫じゃないか!」素人でもすぐに判るんです。彫りに特徴がありますから。
ワケが解らず、ずっと混乱していたのですが、
砂澤陣さんのブログで、やっと理由が判明しました。
引用が長くなるので、先に概要を説明しておきますね。
***
陣さんのお父様である
砂澤ビッキさん。
世界的に評価の高い現代アートの巨匠です。
若い頃、鎌倉で彫刻の勉強をなさっていたそうで。
その時に、「個人の作品」として、
アイヌの文化と鎌倉彫の手法を融合させたのだそうです。
……ここまでは何の問題もありません。
古今東西、世界中の芸術家がやっている事です。
ところが、ビッキさんの死後、
利権アイヌがスケッチブックを持ち出し、
勝手に弟子を名乗り、デザインを盗作したんです。※砂澤陣さんのブログ記事から一部引用アイヌ問題と関係ない身内のことだと思われる方もいるだろうが、元アイヌ協会副理事長の秋辺や元旭川市部長故川上悟等が
デッサン帳を盗み出し父の死後に弟子を名乗りデッサンを盗作し、アイヌ工芸品展に出品し、出品した身内や仲間内の古物商等が値段を決め税金で買い取る形を取り、この作品を更に横流し手を加え酷いときは、アイヌ文化振興・研究推進機構の文化再生名目予算(税金)で製作したことにし、一年間保存、今度は
洗濯屋(着物やマキリ(刃物)等新しく作った物を古いものに見せる)で古い物に見せかける加工が施され高値で売りに出されたり、千歳や札幌地下歩行空間等にレンタルと言う形で貸し出され市や道の予算でレンタル料が支払われエンドレスで小遣いが入るようになっている。
(中略)そもそも
父親の紋様やデッサンは、熊や鮭彫っても直ぐに駄目になるし、所詮は白老の物真似でしかないから
個人個人が独自のものを作り出さなければならないとして生み出したもので、仕上げの色付けも鎌倉彫からヒントを得たもの
多くの人からモダンなデザインだとして評価を得た反面、所謂アイヌ側からは、こんなものアイヌのもんじゃないと批評をされた。
実際、
アイヌのもんじゃなく個人が生み出したもので死後、アイヌ文化の様に嘯くのは現代アイヌの資質そのものを表していますね。
後進民族アイヌ 余計な仕事……(2017/08/08)よりhttp://koushinminzoku.blog117.fc2.com/blog-entry-374.html生前のビッキさんが、最後に、電話で陣さんに伝えた言葉です。
「俺が死んだ時に葬式に来る連中の言葉と、
数年後にそいつらが発する言葉に騙されるな」2018/09/01 不破 慈(ふわめぐみ)

有名な木彫りの熊についての説明も、別記事でして下さっています。
※一部引用 木彫り熊はアイヌの物と思われているが、あれは八雲や白老に入植した旧尾張藩主達がスイスのお土産を手本に作り始め、それを私の祖父市太郎や松井梅太郎・藤戸竹夫等が中心となり木彫り熊を作り始めたのが昭和10年代のことであるが、これも立派な日本の北海道の特色ある文化、つまり日本文化である。
後進民族アイヌ 居内商店に対する脅し(2018/06/27)よりhttp://koushinminzoku.blog117.fc2.com/blog-entry-396.html戦前の北海道では、和人アイヌに関係なく、
新たな地域文化を創成しようと、皆で邁進していました。 ……戦前の北海道では。
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引用箇所は私も砂澤陣さんのブログで読んだ事がありましたが(砂澤さんを知ったのは此方のブログのリンクからですけど)、本当に酷い話だと(-_-#)
木彫りの熊に関しては、テレビ番組でも目にした事があります(確か)。
私の実家にも鎮座していましたよ。
母の伯父(叔父?当人を知らないので解りません(^_^;))が、母の結婚祝に彫って贈ってくれた物が。
何故、結婚祝に木彫りの熊なのかは不明ですけど(--;)
親族のお手製とか、なんとなく愛着が湧きます。