短距離走のトップアスリートに、
西アフリカ系が多いのはどうして?まだまだ暑さでバテバテのふわふわです(_ _)
取り敢えず、一日一回はログインを目標にリハビリ中ですが、
いつも応援して下さる皆様に、このままじゃ申し訳ないな、とも思い。
そう言えば、機会を逸して、お蔵入りになった記事がありまして。
遺伝学ネタです。ひたすら私の趣味に走っている内容で、
保守もアイヌも関係ないですが、暇潰しにどうぞ。
↓↓↓
※以下、記事本文所謂「人種」という概念のステレオタイプとして、
「西アフリカ人は短距離走に強い」と云うものがあります。
……科学的に立証されているワケでも何でもないんですけどね。
そんな中、古代DNA解析の第一人者、デイヴィッド・ライク博士の著書に、
面白い仮説が載っていて。私はこちら(
後者)の可能性が高いと思うのですが。
※引用、改行を加えました一流の短距離走者には西アフリカ人の系統の人が極端に多いという例を考えてみよう。1980年以来、オリンピックの100メートル走の男子決勝戦出場者はすべて、たとえヨーロッパやアメリカ大陸から来ていても、西アフリカ人の系統を引いている。その説明としてよく持ち出されるのが、遺伝子に働いた自然選択のせいで、西アフリカ人系統の人の短距離走能力が平均して向上したという仮説だ。
平均値が少しよくなるというのは、それほどたいしたことに聞こえないかもしれないが、能力の分布図において高い方の端では、大きな違いが出る可能性がある。たとえば、西アフリカ人の短距離走能力の平均値が0.8標準偏差だけ増せば、ヨーロッパ人の99.9999999パーセンタイルより上に相当する人[つまり、全ヨーロッパ人の上位0.0000001パーセントの成績に相当する人]の比率が100倍に増えると予想される。
同じような大きな効果が予想できる別の説明として、西アフリカ人系統の人々の短距離走能力にはより大きな変動幅があって、能力の非常に高い人も非常に低い人も多いというものがある。実際に、西アフリカ人の遺伝的多様性がヨーロッパ人より約33パーセント高いことを考えると、平均値は同じでもその上下により幅広く能力が分散し、ヨーロッパ人の99.9999999パーセンタイルより上に相当する人の比率が100倍になることは十分にありうる。これが西アフリカ人の優れた短距離走能力の本当の原因なのかどうかはともかく、認知能力も含め多くの生物学的特性について、
サハラ以南のアフリカ人では、遺伝の影響を受ける能力において極端な値を持つ人の比率が高いと考えられる。
※交雑する人類 古代DNAが解き明かす新サピエンス史(p370-371)
デイヴィッド・ライク著、日向やよい訳/NHK出版/2018年7月……平ったく解説すると、西アフリカ人だから優秀とかじゃなくて。
彼等の
遺伝的多様性が、他地域より圧倒的にバラエティに富んでいるため、
極端に有利な組み合わせや、極端に不利な組み合わせを持つ人が生まれやすい。
多分、全員の平均タイムで比較したら、他地域とあまり差は出ないと思われます。
私達はどうしても、目立つ方の人達を基準にして、物事を判断してしまいますが。
人類揺籃の地に蓄積された遺伝的変異の豊富さは、他地域を完全に圧倒します。
出アフリカを果たした側の創始者集団は、その中の極一部に過ぎませんから。
故郷に残った集団の遺伝的多様性を、全く代表できていないんですね。
統計学的には、
サンプリング誤差と呼ばれる現象です。
……ですが、ちょっと待って下さい。
バリエーションの豊富さでは負けると言っても、出アフリカ以降、
他地域に進出した人類が、独自に獲得した変異だって、あるのでは?
それって、西アフリカ系の人達から見ても、
新たな遺伝的バリエーションを獲得することにならない?
サニブラウン選手のお母様、日本人ですけれど。
陸上の選手でしたよね? お母様から受け継がれた資質や、
何より生育環境は、サニブラウン選手に大きく影響しているのでは?
勿論、本人の努力がなければ、上に行くことは出来ませんし。
結果は、その全ての相乗効果で決まってくるのだと思います。
2019/08/29 不破 慈(曾祖母はアイヌ)
更に平ったく言うと、キセキの世代クラスが生まれる確率が、
他地域より、ほんのちょびっと高くなってるってことですね~。※突然の黒バスネタ(アップ直後に加筆)
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