PCR検査っていうのは、
その検体内に、ウイルスの遺伝子が
存在しているのか否かを調べているの。コロナの遺伝子が検出されたからといって、
その遺伝子が、感染力のあるウイルスのものか、
それとも、壊れた残骸のものかまでは判らない。発掘された古人骨のゲノム解析と、理屈は同じ。
死んだ人からでも、遺伝子は取り出せるんだから。……PCR検査で、その人の検体から、
コロナウイルスの遺伝子が検出されたとして。
そのウイルスに、感染能力があるか否かは、
培養してみないと判らない。つまり別の検査が必要。
で、ウイルスの培養をしてみて、
培養陽性になって初めて、
その遺伝子は、感染力のあるウイルスのものだった、と判明する。
それでも、コンタミネーション(試料混入)の問題は付きまとうけど、
その状態で初めて、
そのPCR検査陽性者は感染者だったと言えるのよ。
ただ、現実問題として、そこまではやっていられないでしょ?
臨床では難しい。基礎研究では当然、行われているけど。
※感染研の記事から抜粋 遺伝子検査では検出されたウイルスの感染性の有無までは判定できず, 「遺伝子検査で陽性」であることは, 「感染性のあるウイルスが陽性」であることと直結しない。そこで, 当所の遺伝子検査で陽性となった陽性確定時および陰性確認時の検体を用いて,
培養細胞によるウイルス分離検査を行い, 感染性の有無について評価したので報告する。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2502-idsc/iasr-in/9878-487d03.html……そこで、培養検査をする代わりに、
目安として用いられているのが、
Ct値なのよ。
PCRで、ウイルスの遺伝子を増幅(コピー)した時に、
何回くらい、コピー作業を繰り返したかな~? ってヤツ。
低い値で一定量に達したら、それだけ、
感染能力のあるウイルスの遺伝子だった可能性が高い。
でも、何回も何回も繰り返して、やっと一定量に達したら?
残骸だった可能性が高くないかしら? コンタミの問題もあるし。
※日経記事から抜粋 英オックスフォード大学の研究チームはPCR検査が死んだウイルスの残骸を検出している可能性があると報告。英国の別の研究では、
値が25より小さい陽性者の85%以上は他人に感染力があるウイルスが培養できたが、35を超えると8.3%しか培養できなかったとの結果もある。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65910480W0A101C2CE0000/……上の引用文を読むと、
Ct値25以下でも、
1割ぐらいのPCR陽性者が、培養陽性にはならないって解るでしょ?
それでも9割が該当するなら、暫定的な判断としてはOKかも知れない。
ただ、
Ct値35以上だと、1割程度しか培養陽性にならないのよ。
PCR陽性者の9割が、残骸の遺伝子しか持っていなかったってこと。
Ct値25と35。 ← この差は、とても大きいよね?
日本ではずっと、Ct値40を「オフカット値」として採用していたの。
日本だけじゃない、アメリカもだけどね。一番の優等生・台湾は35。
流石に、コレは見直しの必要があるって、世界的にも声が上がった。
発生初期に関しては仕方ないけど、いつまでもコレじゃマズイでしょ?
過去のデータ(
感染者扱いの陽性者)が、修正されるかは知らないけど。
2021/03/12 不破 慈(曾祖母はアイヌ)
PCR検査陽性 ≠ 感染者 ←科学的でしょ?
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