二番目の山羊

北海道出身の父はアイヌクォーター、福島出身の母は「蝦夷のアベ」

真面目に鰤考:『何を護る?』

今頃になって3月発売の現最新刊、山じい表紙の58巻の鰤考です。
心身のコンディションは悪いので、テンションは低いです。

発売日、一読して、「ああ、やはり“護る”が打ち出されて来たな」と。
2012年11月の記事『不破不破が考える鰤のテーマ』で、
「BLEACHのテーマは、『護る』。初回に
 “黒崎一護”という主人公の名前として既に出されている」と書いた。

58巻36頁。
ユーハバッハのオッサンが、“護”廷十三隊総隊長を粉砕する際、
「貴様らは護るものを増やし慈しみ」と発言した事で、「ああ、やはり」と確信した。

ついでにお恥ずかしながら、この時初めて
「ああ、そうか。『“護”廷』だ」と気付いた次第。





巻の一からざっと読み直して頂けばお気付きになると思う。
繰り返し、繰り返し。「護る、護る」。鍵の言葉ばかりが出ていた。
ルキちゃん救出の際には、「掟」と「一“護”」の対比。
鰤で貫かれているのはこれだ。ずっとずっとこれだ。

2012年12月の『死神崩し』で書いたが、あの時も、
“観念レベルで護ろうと努めている尸魂界”と
 “魂レベルで護りたい一護”の対比
」。

普通なら、訓練を積んだ戦闘部隊が高校生に縋るなんて有り得ないが、
これは「護る」という命題を課せられた主人公である以上、仕様が無い。

とにかく、「護る」なのだ。作者の「護る想いを託された主人公・黒崎一護」との対比。

この手法で、「護るとは何か?」を問い掛けている。





ところで。
作中では、退治(?)する対象である「物の怪(?)」を、『虚(ホロウ)』と読んでいる。
「怨霊」では無く。「妖魔」でも無く。『虚』だ。「うつろ・むなしい」と読む。

何故、『虚』は「むなしい」か。「心が無い」から。
心を失くした事が耐え難い苦痛となり、
真っ先に「生前、最も愛した者の魂を喰らいに行く」。

「心」だ。「愛」だ。つまり、「護りたいのは“心”であり、“愛”」であり。
“心”=“愛”」なのでは???

それを裏付ける話。
生前の海燕はルキアに告げた。巻30収録の『君、死にたもうこと勿れ』。
「心は体の中には無い。誰かを想う時、そこに心は生まれる」。

それはつまり、「」なのでは?





誰かが誰かを大切に想う時。その感情を「愛」と呼ぶ。「恋愛」に限る事は無い。
友と友との「友情(情=心)」でも良いし、師弟愛でも良い。勿論、親子の情愛。
誰かが誰かを想う時。そこに心が生まれ。それを人は「愛」と名付けた。

ああ、だからだ。だからルキアは生きる事を選んだのだ。
海燕に「預けられた心」。即ち、「受け取った愛」を、大切な者に手渡していく為。

生きて、生きて。生きられる限り生きて。
海燕だけでなく、大切な人達から受け取った愛を、
他の大切な人々へと手渡して行く為。

愛はリレー」なんだ。





『BLEACH』は、主人公・黒崎一護が「護る想い」に目覚める事から始まった。

「護る」という命題を受けて、世に誕生した少年。
幼い日、「守りたかった母」を亡くした。責めた。自分を責めた。

9歳の少年は罪の意識(本人は罪だと感じていた)に苛まれ、
「遺された家族を守らなければ」と、贖罪の日々を生きるようになる。

だが、そんな自身にリミッターを掛けた精神状態で、力を発揮する事など出来ない。
そこに、ルキアが現れた。力を失ったルキアは、一護に「死神代行」を持ち掛ける。

当初、一護はそれを突っ撥ねる。
「あれは襲われたのが俺の身内だったから。見ず知らずの他人のために戦えない」

が、子供の霊が襲われるのを見て気付く。

護りたい、と。





護る、とは、条件を付けて護る事では無いのだ。
「自分とは関わりの無いヤツだから」なんて言ってるウチは、
そいつは「単に自分一人を守っているに過ぎない」。

“心”が、誰かを想う時生まれる“愛”ならば。
自分一人しか守っていない人間には、「心など無い」のだ。





今、本誌では、一護誕生以前の過去編が展開されている。
今回、滅却師は「血に拘っている」ように見えるが。

「血」と、それを守る為の「掟」もそうか?
霊圧を血に流す戦闘法なんかが出て来てる当たり、やはり「血」?
石田家の血による身分階級もそうだし。

「黒崎真咲」さんは、血に囚われていない。
そこに、これまたそんな事どーでも良さそーな「志波一心」さん。

で、どうやら、真咲さんを護りたいが、「血」と
「大切な女性を護りたい“心”」の間で揺れている「石田竜弦」さん。
石田家の人々は完全に「血」だなぁ。
「うーちゃんじーちゃん」はこの頃、どうか知らんけど。

一護の「護りたい心」は。ママとパパから受け継いだんだねぇ。
ああ、パパ、「一“心”」だね。
ママは未だ、「後悔しない」ように行動してて、「護りたい心」は漠然としてるのかな?
だとしたら、やっぱりパパかね???





「護りたいもの」とか「心を護りたい」は、
久保先生の作品に共通して貫かれてるテーマだけど。
今作BLEACH、壮大ですな。

久保先生の熱いメッセージを受け取って。貴方は何を護りますか?

貴方の『心(愛)』は、
いったい、何処に有りますか?



2013/04/24  不破 慈

久保先生が、「BLEACHを単なる恋愛ものにしたくない」って仰った理由、解りますよね。
久保先生は、「心=愛」を、狭義の意味で取られたくないんです。(2013/11/22)


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※テンプレ変えたら、読み難かったんで。改行を加えました。
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[タグ未指定]
[ 2013/04/24 06:40 ] 二次 -1-1.鰤考 | TB(0) | CM(3)
なるほど、そうだったんだ。
一護と一心…なるほど、なるほど。
この記事読むまで、ブリーチのテーマなんて考えた事なかった~。
あれほどの壮大な物語を作れるなんてスゴイって思ってたけど、なんだか物語(長編)を作るヒントを貰った気分。
こんな事当たり前なんだろうけど、テーマが決まると展開がいくらでも広がるもんね。
あ~勉強になった!
今日は思わぬところ(ブリーチ)からヒントを貰った★
考察、ありがと!!
[ 2013/04/24 20:38 ] [ 編集 ]
ほえ? 何かお礼言われた……。

そういえばウダモ様、小説お書きになるんですよね? カテ、ずっとほったらかしにされてますが……。あ、言っちゃった(爆)

アタシ、久保先生好きなんです。日本語による表現の妙もありますけど。

個性強い方ですが(アタシの方が強い?)、独自の哲学をお持ちで。

その人にしかない「一本」がある方は好きです。
[ 2013/04/24 21:45 ] [ 編集 ]
>そういえばウダモ様、小説お書きになるんですよね?

…ぁw

見つかっちゃったwwwww

てへぺろw
[ 2013/04/24 22:22 ] [ 編集 ]
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