さてさて。何回か、このテーマで書こうかと。
と、言っても。アタシ、その筋の記者でも何でも無いんで。
アタシの頭の中に、大雑把に入っている「アウトロー」の流れを、断片的で悪いが。
古い時代の芸能なんかを調べてるとね。
どうしても、こういう話が出て来るんよ。
今日はちょっと。「ヤクザ」とは直接関係無いが。
「芸能」ってのが、そもそも、どんなんだ、って話を。
ウチのおっ母がですね。三味線とか民謡が好きでしてね。
アタシは、一緒に聴いてる、ぐらいだったんだけど。
二十歳になる前辺りから、自分でも勉強し出した。
アタシが子供の頃から何度か聞かされて、一番印象に残ったのはコレ。
『お母さん、兄貴・姉貴に「三味線やりたい」って言ったら。
「乞食になる気か?!」って、驚かれたぞ』
「???」だよね?(笑)
既にご存知の方もいらっしゃると思いますが。
ウチのおっ母は10人兄弟の末っ子。上の方は、大正生まれです。
じーちゃんばーちゃんは、明治の人間だから。
ちなみに、福島。歌舞伎小屋や、花街がある都会と違って。田舎では、
三味線なんて、「門付け」して歩く芸人のモンだったんだよ。
片手間に趣味でやってる人が居なかった、とは言わないけどね。
で。この、「門付け」=「乞食」なワケです。
言葉は悪いが。腕の良し悪しは関係なく。家の前に立って、三味線を弾く。
少し立つと、中から人が出て来る。
上手く行けば、食べ物なんかを少し、貰える。
追い返される時もあるし。家に上がって、演奏をする場合もある。
「家に上がれるなら、良いんじゃないか?」
いや。家の主によっては、一晩中、弾かせられる事もあった。
目の見えない人は、こういう職に就くしかなかったんだよ。
あと、按摩?
津軽三味線の神様・高橋竹山氏が、こうやって生きて来たんだよ。
で。紆余曲折あり、五十路を過ぎてから、三味線奏者として脚光を浴びた。
女の人も居たんだよ。 越に、瞽女(ごぜ)さんて居たね。
何人かで固まって、旅をするんだけど。途中で、襲われてしまう人も居た。
この「襲われてしまう」は、勿論、強姦。
身包み剥がされて、命まで取られんじゃね?
ってか、グループから遅れて身包み剥がされたら。もう死ぬしかないからね。
昔はね、栄養状態も悪かったし。病気で失明する人は多かった。
目が見えなきゃ、農作は無理だからね。
食い扶持を減らす為に、家から出されたんだよ。
あのね。芸能に従事する人々が、
「芸術家」と言う位置付けで持て囃されるようになったのは。
それだけ、社会が豊かになった、って証。
芸能に従事する人間は、もともと、凄く身分が低かったんだよ。
直接、食糧生産には関わらないし。
インフラ整備に重要な、職人(技術者)でも無い。
商い(流通ビジネス)にも絡まないしね。
ああ。その流れで言えば、物書きも。
だから「二葉亭四迷」なんてペンネームにする人が出た。ある程度、豊かな暮らしを謳歌出来る、江戸なんかの大都市では、
役者さんなんかが、「スター」として人気を博していたでしょ?
芸事、ってのは、そう言うもの。
「喰ってくのがやっと」のコミュニティでは、瑣末に扱われる。
「社会から弾き出された人々」だったんだよ。
「堅気じゃない人達」って事。 犯罪者でも何でもないのに、だよ?
ちょっと、アタシが話したいと思ってる事。
見えて来た方も居るんでないかしら?
ヤクザも芸能も。社会的位置付けが様変わりしたな。
2014/03/01 不破 慈
生まれ育った家庭環境が環境なんで。
いつ、社会から弾き出されても、おかしくない場所に居たから。(ってか、今も居るだろ(笑))あんまり、他人事とも思えない。
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